【自己受容の方法】確実でシンプルな2つのステップ
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自己受容は、自由に自分らしく生きていくためには欠かせないものです。
この感覚を育てていかなければ、いつまでたっても他人に振り回されたり、モヤモヤ・イライラ感に悩まされたりします。
自己受容とは、「ありのままの今の自分をすべて受け入れる」ことです。
ありのままなので、自分が見たくない自分、これさえなければ・・・という嫌な自分もすべてOK!と受け入れるのです。
しかし、私たちはそれが容易には出来なくて苦しみます。
自分の短所や嫌なところを受け入れてしまうと、そんな自分を他人は受け入れてくれないし、評価してくれないという恐れや自己成長を止めてしまうという思いが心の根底にはあるようです。
しかし、本来はその逆であり、より良い人間関係の為にも、自分自身の成長にも、まずは自己受容が大切です。
そこで、自己受容の方法の2つのステップをお伝えします。
自分の感情へのアプローチ
自己受容でまずは大切なのは、自分の感情をしっかり把握することです。
私たちは、自分にとって嫌な感情、例えば不安、怒り、恐怖、悲しみ等を抱いたとき次の2つの方法をしてしまうことが多くあります。
自分の感情を認めない
つまり、自分の感情を無視したり、無意識の奥底に抑圧する行為です。
例えば、怒ってはいけない、怒ることは悪いことだと無意識で思っているので、見ないふりをします。
怒りは悪い感情だと思っているからです。
または、親をはじめ他人に受け入れてもらいたいが為に自分の感情に蓋をし、相手に認めてもらえるように合わせます。
子供の頃のいわゆる「いい子」や「アダルトチルドレン」だという人が、無意識によくやる行為です。
自分の感情を発散する
これも良くやりがちですよね?これは感情を垂れ流すといいます。
感情と自分か一体化してしまっているので、居心地が悪く、人に聞いてもらうことで、その不快感を取り除こうとするのです。
しかし、これをし続けると幼児性や依存性の強い人になってしまうので注意が必要です。
では自己受容のプロセスで大切なのは、感情をどうすることなのでしょうか?それは次の行為になります。
自分の感情と共存する
共存するとは、どんな感情も認め受け入れることです。
もし、恐怖を感じたとしたら、
とまずは認めるということです。
一体化するのではなく、自分のほんの一部なのです。
私たちの感情は、わかってほしくて、存在を認めてほしくて出てきます。
このように自分に語りかけ、排除しようとするのではなく、しっかり感じた時にその感情はひとりでに変化していきます。
完全にはなくならないかもしれませんが、ちょっと大人しくなったり、または別な感情が出てきたりします。
ですから、まずは感情に蓋をするのでもなく、感情をただ嫌なものとして自分の中に取り込んで一体化して、他人に言って発散するのでもなく、その感情の存在をしっかり認めることから始めてください。
私たちは、恐怖、不安などのネガティブな感情は、嫌なものとして自分から追い出そうとします。
そうではなく、
と存在をしっかり認め、まずは受け入れるのです。
これが自己受容の1つ目のステップです。
あなたにはどんな感情がありましたか?まずは感情に気づくことが、自分を知ることにつながります。
そして、自分を知ることが自己受容への第一歩なのです。
無意識へのアプローチ
自己受容とは、自分を許すことでもあります。
でも、人は自分を許すどころが、少しでも気に入らない自分を見ると、責めて無意識に罰してしまいます。
ですから、無意識に見たくない自分を隠す、つまり無意識の領域に抑圧する行為をします。
よく「なんだあの人は!!」とイライラしたとすると、それは「自分の中にある何かが反応して引き出された」といわれます。
人は、自分の嫌なところ、認めたくないところを排除しようとし、抑圧します。それを「影」といいます。
ですから、ある人を見て「なんだあの人は!」とイライラしたということは、「ダメだと思って隠している自分」をその人の言動に見たからだという可能性が高いのです。
人はスクリーンであり、心というフィルムを通して、自分の無意識にある受け入れていない自分が「影」となって人の言動や振る舞いに映し出すのです。
ですから、「人へのいら立ちは、自分を知る最良の手段」(カール・ユング)と言われるように、自分に対してイライラしている可能性があるのです。
そうやって、いらだった相手に映った自分を一つ一つ受け入れる作業が大切になるのです。
そして自分の「影」を受け入れたら、その影がなくなるので同じ言動や振る舞いを見てもいらだたなくなります。
次に「影」を使った究極の自己受容をご紹介いたします。
「影」を用いた自己受容
誰かの言動や振る舞いにイライラしたら、その人のどんなところに自分がいら立ちを感じているのか?考えてみます。
その苛立ちを感じた部分について、自分にも思い当たる部分がありませんか?
もし思い当たることがあるのでしたら「自分にもそういう部分がある」ことをそのまま認めましょう。
そして
と何度も語りかけて、その自分を受け入れましょう。
例えば、急がなきゃいけないのにマイペースでのんびりしている息子にイラっとした。せっかちな私だけど、逆に息子が急いでいる時、のんびり行動している自分もいるな~。だから引き出されたのかな~
あるいは、誰にでもいい顔して調子よく喋る母にイラっとした。もしかしたら私の中にも八方美人の調子よく自分に合わせる嫌な自分があるのかもしれない。確かに、子供のころはそんな自分が嫌で自分を責めていたっけ。大人になった今でも、無意識に嫌な自分、見たくない自分として、抑圧しているんだろうな~
そして
と認めて、受け入れていきます。
カール・ロジャーズの言葉で「ありのままの自分を受け入れた時、はじめて自分を変えることが出来るとはなんと興味深い逆説だろうか?」と言うものがあります。
こうやって一つ一つ見たくもない「影」の自分を受け入れていったとき、その「影」がまるで成仏したかのように大人しくなってくるのです。
これが2つ目の自己受容のステップです。
まとめ~自己受容は最高の自己成長~
自己受容の2つのステップを書かせていただきました。
まずは、自分のどんな感情も排除せずに認めること、どんなネガティブな感情も大切な自分の一部としてその感情を分かってあげ、受け入れることが第一のステップです。
次は、相手に映し出された自分の「影」を用いる方法でした。
相手に対してんだあの人は!」と思ったら、それは自分の中にある隠していた嫌な自分の可能性があります。勿論そうではない場合もあります。
もし、自分の中にも存在する嫌な自分だと感じたら、素直に「そんな自分でもいいんだよ」と許し受け入れでいくことが2つステップです。
そうすると自分の「影」が大人しくなり、相手に対して苛立ちはおさまってきます。
こうやって、ありのままの自分を一つ一つ受け入れていくことが、実は自分への信頼感になり、それが自分を大切にすること、他人を大切にすることにつながります。
自分を心から信頼しているので、自分のありのままを大切に出来るのです。
するとますます自己受容は育つという良い循環が起こります。
最初は抵抗があるかもしれませんが、皆さんもまずは、自分の感情を認めるところから、やってみてください。
自分の面倒は自分持ちですから、他人に頼らず自分でケアして、自己受容を育ててくださいね。
ありのままの自分を受け入れた時、はじめて自分を変えることが出来るとはなんと興味深い逆説だろうか?(カール・ロジャーズ)